top of page


零式艦上戦闘機五二型乙 | 栄発動機(エンジン)
父島の中央に位置する洲崎地区は、かつて日本海軍の飛行場があった場所である。この零戦五二型乙は、その北側に面する二見港の海底37mに眠っている。現地では硫黄島近辺の敵艦隊を攻撃した神風特別攻撃隊第二御盾隊の一機が離陸に失敗し海に墜落したと云われており、 昭和20年2月24日に硫黄島銃撃に発進した二機がこれに該当すると思われる。


零式艦上戦闘機五二型乙 | 栄発動機(エンジン)
住友ハミルトン油圧可変ピッチプロペラは三枚とも曲がっていることから、プロペラが回転している状態で落ちたのであろう。この点は現地で伝えられている離陸時の墜落という話しと合致している。プラグコードも残っている栄発動機には減速室上部にあるプロペラ調速機への給油管も確認できる。


零式艦上戦闘機五二型乙 | 左主翼と栄発動機
左主翼は比較的ダメージが少なく全体形を良く保っている。五二乙型は主翼にベルト給弾の二号四型20mm機銃を搭載し、主翼の強化により急 降下制限速度も400ノットまで高められていた 。左主脚に残る主脚の根元、主桁部分が露出しており、ここに五二丙型から追加された13mm機銃用の孔が確認出来ないので、胴体の13mm機銃と合わせて五二乙型であることが確認できた。


零式艦上戦闘機五二型乙 | 機銃弾の塊
機体のすぐ近くにある機銃弾の塊。現在この機体がある付近では小笠原空港建設の為の調査が行われており、 空港建設のために「この零戦も埋め立てられてしまうのではないか」と現地の方が心配そうに話していたのが印象的だった。今後の推移を見守りたい。 (海底のレクイエム69:父島の零戦五二乙型より)
bottom of page