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第四号輸送艦(一等輸送艦) | 四十口径八九式十二糎七高角砲
父島、二見湾に眠る一等輸送艦の第四号輸送艦は、兄島に眠る二号の姉妹艦である。本艦も二号と同様に昭和19年8月4日の米機動部隊による小笠原空襲(スカベンジャー作戦)によって被弾沈没、船体は放棄された。写真の四十口径八九式十二糎七高角砲は太平洋戦争時の日本海軍の高角砲としては標準的なものであるが、装填機構に信管調整システムが組み込まれているなど他国の高角砲にはない技術的な特徴もあった。


第四号輸送艦(一等輸送艦) | 船体の一部
船体はバラバラになってしまっているが、船体中央よりやや後ろ寄りにはロ号艦本式缶(ボイラー )などが健在で、25ミリ機銃なども非常にわかりやすい状態で鎮座している。さらには、食器といった日用品なども存在する。この写真は非常に抜けているが、2021年、2022年度は透視度が悪く、潜ってもほとんど視界のない状態であった。風などの影響で透視度が悪くなりやすい場所なので注意が必要である。


第四号輸送艦(一等輸送艦) | 艦尾スロープ
第四号輸送艦の艦尾は水平に海底に着底しており、特徴的な艦尾のスロープも面影を留めている。左側に見えているのは搭載した大発や甲標的をへん水するためのレール。右舷側にあるはずだが、半ば砂に埋もれているようだ。中央のフレーム上のものは爆雷投下軌条だろう。輸送物件の状況にもよるが、一等輸送艦はある程度の対潜能力をもつ護衛艦としても運用が可能だった。


第四号輸送艦(一等輸送艦) | 艦首
艦首は崩壊して右舷側に横倒しになってしまっている。写真は艦首先端部分。(海底のレクイエム78:父島の一等輸送艦より)
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