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甲標的 | 艦首
小笠原ではこの特殊潜航艇以外にももう一隻の特殊潜航艇が海底で発見されている(小笠原に進出した甲標的は3隻だが残る1隻は未発見) が、ここで紹介しているのは、第五十号駆潜艇の艦尾側のすぐ近くに眠る特殊潜航艇(甲標的丙型)である。艦首は完全に砂に埋まってしまって見ることはできないが、艦尾方向に向かっていくにつれその姿を徐々に姿を表わし、艦橋、艦尾のスクリュー部分は完全に出ている状態となっている。


甲標的 | 前方から艦橋まで
奥に見えているのは司令塔である。真珠湾攻撃などに投入された甲標的甲型に対して小笠原に配備された甲標的丙型はディーゼルエンジンを追加して充電能力を追加した形式だが、このアングルからではほとんど見分けがつかない。司令塔の断面が極力抵抗を減らすための流線形となっていることがわかるだろう。甲標的は本来、外洋における艦隊決戦への投入を想定して計画 されているために第二次世界大戦前半の時点で実戦投入さ れた潜水艦 / 潜水艇としては極めて高い水中速力を実現している。


甲標的 | 艦尾
多少の付着物はあるが良く原型を留めており、スクリューと舵などのレイアウトが明瞭である。絡まっているのはワイヤーのようである。甲標的は艇首と司令塔、司令塔と艇尾の間にワイヤーを張って障害物が司令塔に絡みつかないようにしているので、そうしたワイヤーが脱落した可能性もある。


甲標的 | 二重反転プロペラ
甲標的の推進器は二重反転プロペラとなっており、縦舵、横舵 はスクリューの前方にある魚雷のようなデザイン。これは甲標的の開発が潜水艦専門家ではなく、魚雷関係者を中心に行われ たことが影響している。スクリューの周囲に見えるリング状のものは、スクリューを保護するプロペラガード。プロペラガードを支持するアームは、それ自体が舵を保護している。(海底のレクイエム77:小笠原の特殊潜航艇より)
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