top of page


第二号輸送艦(一等輸送艦) | ロ号艦本式缶(ボイラー)
滝之浦湾の浅瀬に残るのが第二号輸送艦と推測される艦。一般 に「一等輸送艦」と呼ばれる第一号輸送艦型の二番艦である。父島二見湾で昭和19年8月3日の小笠原空襲(スカベンジャー作戦)に遭遇して被弾、兄島の捕鯨基地があったという場所の目の前の海に擱座し航行不能となり、8月5日に荒天により沈没した。その船体は、水深が浅いことから波など自然の影響を受け、大破して原型を留めていない状態である。


第二号輸送艦(一等輸送艦) | タービン
推進軸はギアード・タービンと結合された状態で残されている。バラバラの船体に対して機械室周辺の艤装品はよく残されており、その対比が興味深い。一等輸送艦は艦本式高低圧タービンが搭載されており、減速ギアによって軸の回転数を最適化していた。


第二号輸送艦(一等輸送艦) | スクリュー
一部が欠けているが、擱座時の損傷か経年劣化によるものかは不明。一等輸送艦は一軸推進なので、スクリューはこれ一つである。直径は2.8メートル当時としては標準の固定ピッチプロペラで、ピッチは2.220メートル、回転数は毎分400回転。 一等輸送艦は機関出力9500馬力で最大22ノットを発揮可能だった。


第二号輸送艦(一等輸送艦) | 四十口径八九式十二糎七高角砲
海岸に半ば埋もれた四十口径八九式十二糎七高角砲。戦艦や空母にも搭載された日本海軍の標準的な高角砲である。船体から脱落して打ち上げられるには大きすぎるので、人為的に浜に引き揚げられた可能性もある。 比較的小型な一等輸送艦だが、浮力や船体幅の関係で装備の難しい艦首部に有力な高角砲を装備したことは評価できる(海底のレクイエム75:兄島の第二号輸送艦より)
bottom of page