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大功丸 | 側面からの写真
本船の機関は滝之浦湾沈没船の中で唯一のディーゼルエンジンであり、それと思われる大きな鉄箱やボイラーが見つかったことから1945年7月4日の空襲で沈没した徴用貨物船6隻のうち大功丸であると考えられている。 残骸の様子から「浅沈」は船底を下に正立して着底したと思われるので、沈没直後は船体上部やマストは海面上にあった可能性が高い。それが波浪によるストレスと腐食によって船体が崩壊し部材の多くも砂に埋れたり、流出した結果、現在のような姿になったと思われる。


大功丸 | 船尾
船尾付近の船体断面を真後ろから見る。船底の構造などが見て取れる。後部の損害を受けて船尾付近を損傷したか、沈没時に船尾から海底に接触し、この部分で船体が破断したのかもしれない。ちなみに大功丸の沈没時の犠牲者数は5人とする資料がある。


大功丸 | デリックポスト
船首方面から船体を望む。船体は崩壊して船の形を留めておらず、外板などの多くは砂の中に埋れているのだろう。写真中央に見えるのは おそらく門型のデリックポスト。船体が崩壊した時に倒れこみ、横倒しになって残っているのだろう。大功丸は小型貨物船によく見られる レイアウトとして、船首楼の後方に門型のデリックポストを挟むように船倉をもっていたと思われるので、本来であれば写真中央のあたりに前部の船倉口があったのだろう。


大功丸 | 俯瞰して見る全景
原型を留めている船底部にあるスクリューシャフトが大変特徴的である。軸系の部材は重く、強度も高いので船体が崩壊しても最後まで残るようで ある。周囲の船底部が元の形を残しているのも、波浪の影響を受けづらい部分で あったのに加えて、シャフトを受けるために構造的に強固であったからだろう。(海底のレクイエム92:兄島の徴用貨物船「大功丸」より)
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